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体の痙攣(けいれん)、引きつりの原因と対策

薬を使わない。

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更新日:2019.03.27

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

※けいれんや引きつりは、必ず病院で検査を行ってください。ここでは、原因不明のけいれんや引きつりについてお伝えしています。

前の「けいれんの種類。引きつり、ピクピク動くなどの解説」のページでは、けいれんの解説をいたしましたが、ここからは、それらの原因を心理学整体学神経学と生理学の視点から説明していきます。そして、それぞれのけいれんの対策・対処法についてもお伝えしていきます。


身体心理学(ソマティックサイコロジー)の視点でけいれん・引きつりを見ると...

では、まず心理学の視点からけいれんの原因を解説いたします。

心理学の分野には、「身体心理学」という分野があります。
心と体はつながっていますので、心の状態が体に現れていると考える心理学です。
この分野では、無意識に筋肉が動いてしまうけいれんやひきつりは、体にとって必要があるために起きていると考えます。


心の状態は体に現れる


つまり、頭では必要とは思っていなくても、体が必要だと思っているので、体や顔が、けいれんや引きつりを起こしているということです。

身体心理学では、「頭は意識」で「体は無意識」と考えます。もちろん、手足など、体の一部は意識して動かしています。しかし、心臓の拍動や胃腸の活動、血管の収縮と拡張、その他にも様々な動きが体の中で行われていますが、それらは無意識に行われているのです。
体全体で見ると、実は無意識で動かしている方が圧倒的に多いのです。

そして、その無意識は頭とは違い、体にとって必要なことしか行わないと考えます。例えば、風邪をひいて熱が38度出たとしても、それはいいことだと考えます。実際に、体温が38度になると免疫力を上げるスイッチが入り、風邪に打ち勝つために免疫力が活性化するのです。 頭では、38度の熱はだるくて大変だと思いますが、体にとっては風邪を治すのに必要だから起きていることなのです。


高熱と同じように、けいれんも体にとっては必要なこと

このように、けいれんや引きつりも、「体にとって必要だから起きている」と身体心理学では考えます。もちろん、それにより日常生活が不便になることもあるでしょうが、このけいれんや引きつりが、心や体が大きな病気になるのを治している、あるいは、直前の所で防いでいるのです。

風邪の例でいうと、解熱剤を飲むことで無理やり38度以下にすることはできますが、免疫を上げるスイッチが入らずに風邪がなかなか治らなくなります。
そのため、けいれんや引きつりを無理やり止めようとすれば、その場は収まるかもしれませんが、症状を長引かせているとも考えられます。 実際に無理やり止めようとしている方ほど、悪化したり治りが遅かったりする人が多いです。

とはいっても、日常生活で困るレベルまで出てきてしまうと、心理的にストレスにもなりますので、対処法のことも書いてありますので、更にここから読み進めてください。


身体心理学的な、けいれんやひきつりの対策

心臓を早くしたり、胃液を出したり、血圧を高くしたりするのは、あなたが頭で必要だと思って行っているわけではなく、あなたの体が必要だと思って脳と自律神経が指令を出しています。
重要なので繰り返しますが、あなたが意識しなくても体が必要だと感じると、無意識にそれを行うのです。

体が無意識にけいれんや引きつったりするのは、発見不可能な病気になったわけではありませんし、悪霊が取りついていたりするわけでもありません。

ただ、心臓や血管そして胃などとは異なり、顔・腕・足などはいつも自分が意識的に動かしているので、自分が意図しない不随意運動がおこると不安になりますよね。
しかし、実は我々は、無意識に腕や足を毎日動かしているのです。

分かりやすい例でいえば、寝ている時の寝返りなどです。
なぜ、眠っているのに体は動くのでしょうか?
それは体が求めているからです。
例えば、病気やケガで体が動けなくなったとします。すると、寝たきりになりますが、寝たきりになって困ることが褥瘡(じょくそう)です。

寝たきりになると、同じ姿勢を取り続けているため、同じ部分が床に当たっているためその部分の血管が圧迫されることになります。すると、その部分に血液が行かなくなり、組織が死んでしまうのです。これが褥瘡です。

体を動かせる人は、寝ているときでも、褥瘡にならないように寝返りをすることで、一部分だけが圧迫され続けないように無意識に動いているのです。


無意識でも体は動くのが普通

また、呼吸も意識的に早くしたり遅くしたりすることができますが、寝ている無意識のときでも呼吸は続いています。更に、お酒を飲んだ時や風邪をひいた時には、代謝がいつもより多く必要ですから、無意識に呼吸が速くなっています。
ですから、体が無意識に動くというのは、実は珍しいことではないのです。

身体心理学では、けいれんや引きつりは、我々の心や感情の状態が体を通して表に出ているにすぎないと考えます。
結論からお話ししますと...
自分のあるがままの感情を、表に出すことを抑えていると、けいれんや引きつりが出やすくなるのです。


詳しくは「うつの隠された原因。感情と筋肉」のページをご覧になっていただきたいのですが、怒りや悲しみを出さずに我慢していることが多いなど、自分の思いや感情を抑圧している方は、その感情が無意識に筋肉運動として出てくることがよくあるのです。なぜなら、感情とはエネルギーだからです。

怒りが湧くと顔が赤くなったり、体が熱くなったり、心臓の鼓動が速くなったりします。これは湧いてきた感情エネルギーを使っているために起こるのです。
顔が赤くなったり、体が熱くなったり、心臓の鼓動が速くあるのは、体を動かすために必要だから起こるのです。生物的には、その怒りの対象に向けて攻撃をしようとします。
怒りというのは、生物学的には自分を守るためのエネルギーになるのです。

この怒りを我慢して抑え込むということは、怒りの感情エネルギーが体の中に溜まっていくことになります。
実は、エネルギーというのは、溜まりすぎると心身を崩壊させてしまうのです。水がたまりすぎたダムは、決壊を防ぐために放水しますが、
けいれんや引きつりは、心身を崩壊させないために感情エネルギーを放水しているようなものなのです。
これが心理学的に見たけいれんや引きつりの原因なのです。

感情は自分を守るためのエネルギー源なのですが、それを抑え込むことは体にとっては非常に不快なストレスなのですね。

身体心理学的な、けいれんの対策

対策としては、体や顔のけいれんや引きつりが出てしまいましたら、それを抑え込もうと思わないことが重要です。会社や学校など、外出先でそれらが出てしまうと抑え込むしかないような場合もありますが、自宅や人がいない場所、そして不随意運動が出てしまうことを理解している方の前では抑え込まないようにしてください。
それどころか、逆にその動きを意識的にして上げるとさらに良いでしょう。

人により、「けいれんや引きつりが出やすい姿勢がある」という方がおりますが、自宅などではその姿勢を取り、できるだけけいれんや引きつりが出るようにすることをお勧めします。


まぶたのピクピクも
感情エネルギーを放出している


ただ注意することは、一度それが出てしまうと、おさまるまで数時間かかる方もおりますので、この時間的なことも考えて出す必要もあるでしょう。もちろん、抑え込むこと自体は体によくないと理解していてください。
寝ているときは無意識になるので出る方も多いです。けいれんや引きつりで、つい目が覚めてしまったり不安になったりしますが、気にせずに寝ていてください。全部感情エネルギーが出きってしまえば、けいれんや引きつりは出なくなります。

ですから、けいれんや引きつりが出てきたら、風邪の時の熱と同じように、治る方向に向かっているとポジティブに考えてもいいのです。しかし、何年も感情を溜め込んでいる方が多いので、一日二日では全てが出きってしまうことはありませんから、長い目で見る必要があります。

さらに、日頃から自分の思いや感情を外に出す、つまり「表現する」ことを心がけてください。自分が思っていること、感じていることをそのまま外に出すことが重要です。
これを我慢していると、けいれんで感情エネルギーを外に出していても、また溜まってしまいます。

もちろん、社会生活を送っていれば、感情を出せない場面も多いですが、出してもいい相手や、出してもいい場所を考えて、出せるときはたくさん出してください。そして出せる相手や場所も増やしていってください。


感情を出せる相手や場所はありますか?

また、自分の感情や体のモヤモヤ感を言語化できないのでうまく外に出せないという方もいるでしょう。その場合は、自分の得意な表現方法を使ってください。例えばダンスが得意ならダンスで、音楽が得意なら音楽で、絵が得意なら絵で、詩が得意なら詩で表現するというのもいいでしょう。

これが感情エネルギーを外に出すことになります。自分の思いや感情を表現するということは、「自分を大切にする」ということなのです。 これが、身体心理学的なけいれんや引きつり対策になります。

整体学的なけいれんの原因と対策」や「生理学・神経学視点のけいれんの原因と対策」はこちらをご覧ください。


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