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うつから復職までの順序

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【うつからの復職法】


【うつからの復職に必要な4つの知識】


更新日:2019.03.28

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

当院では復職までの手順を以下のように考えています。


以下の手順は患者さん本人が日常の中で行っていくことであり、これにプラスして我々が整体・カウンセリング・アドバイスなど行い回復を早めていきます。


  1. 休養期:心身ともに完全休養する

  2. 体の鍛錬期:体を強くする

  3. 心の鍛錬期:心を強くする

  4. 自己リハビリ出勤


ではそれぞれを解説いたします。


①休養期:心身ともに完全に休養する

この段階では復職などを考える必要はまったくありません。


目的はただ一つ、エネルギーの回復です。


そのためには、無駄なエネルギーを浪費しないように、負担から遠ざかる必要があります。


そして、基本はよく寝ることです。

寝る時間を増やすのが重要なので昼間でも夜でも構わず横になります。


うつの心身のだるさはエネルギー不足からなるものですから、それを回復させていくのです。


たまに、睡眠のリズムが乱れるので昼寝をしないようにした方がいいという方がおりますが、それはこの後にすることです。


この時期は眠れるタイミングで寝るというのが重要です。


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休養期に重要なことは、眠れるタイミングで寝てエネルギーを回復させることです。



なぜなら、うつになると一日24時間のリズムが取れません。


人によっては一日30時間や40時間というリズムになるような方もおります。


それを無理やり24時間にしようとすると心身ともに負担になりますから、眠たい時はいつでも眠るというのがこの時期に必要なことです。


眠れるタイミングを逃すと、また眠れない時間を過ごすことになりつらくなります。


また、たとえ24時間リズムでも無意識に色々な刺激から逃れようと昼夜逆転になることも多々あります。


これは刺激や負担から逃れようと体が無意識に行っているためです。


そのため、この時期の昼夜逆転は全く問題にする必要がありません。


更に、刺激から離れるという点で引きこもりたくなることもありますが、これも同じく問題ありません。


この時期の目的は、ストレス・負担・刺激から離れてエネルギーを溜めることです。


当院の整体は自律神経を整え、副交感神経の働きを強めるため休養がしやすく、エネルギーが溜まりやすくなるのです。


②体の鍛錬期:体を強くする

休養が終わったら、次は体を強くすることが目標になります。


溜まったエネルギーを使い、適切な方法で適切な量の負担をかけて体を慣らしていくのです。


動物には超回復という機能があり、適切な負担であればその負担を乗り越えよられるように強くなっていくのです。


このためにはエネルギーが必要になりますので、休養期でしっかりと休むことが重要です。


毎日10キロ歩いていれば、最初は大変でもそのうち楽に歩けるようになるように、うつの方も適切に負担をかければ、その負担はそのうち楽なものになってきます。


そのためには少しずつ負担をかけます。


しかし、休養期でエネルギーを回復させたといっても、まだ普通の方よりもエネルギーが少なくなっているため、本当に少しずつになります。


負担が大きいと超回復が行われずに、ただ疲労を重ねてしまうだけでになりますから、うつに逆戻りしてしまいます。


重症の方だと、朝は何時でもいいので起きたらまずは布団をめくるところぐらいから始まります。


重症のうつの方なら布団をめくるだけでもしんどい時が多いでしょう。

でもがんばって布団をめくります。


めくった後はまた布団をかけて寝てもいいので、一度めくってください。

その後に休んでかまいません。


このように負担をかけて休む、負担をかけて休む、ということを繰り返すことが超回復には必要です。


数日から数週間かけてもいいので、これが少し楽に出来るようになったら布団をめくってカーテンを開けます。


これもその後に寝てもいいので、カーテンを開けて下さい。


それが少し楽に出来たら、起きたら布団をめくりカーテンを開け、ねまきから部屋着に着替えて下さい。


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少しずつ、楽に出来そうなときにやってみましょう。



それができるようになったら、イスに座って数十分から数時間すごすようにしてみてください。


24時間リズムに戻したり、昼夜逆転を戻すのもこの時期に行います。


しかし焦らずに、2週間に1時間ぐらい元に戻すようにしてみてください。


例えば、朝の6時に寝て昼の3時ごろ起きるようでしたら、朝の5時に布団に入り、昼の2時に起きるようにしましょう。


この際、朝の5時に眠れなくても昼間の2時には起きるように頑張りましょう。


これを2週間続け、この時間に慣れたと思えば次に朝の4時に寝て昼間の1時に起きるというようにします。


このように、徐々に日常生活の動きを入れて、時間も少しずつ元に戻していきます。

これが体を強くしていく鍛錬になっていくのです。


日常生活の動きがある程度できたら、時間が元に戻っていかなくてもウォーキングを始めてください。


最初は5分からでも構いません。


最終的には2時間以上のウォーキングが出来るようになるまで進めていきます。


この期間は人にもよりますが、起き上がれないほどのうつの方の場合、早くて3~4ヶ月、遅いと数年かかることも珍しくはありません。


先ほどお伝えしたように、無理をされた方ほど回復が遅くなってしまいます。


体の鍛錬期の間、「もうだめだ」「こんなことできない」などと思ったら、できるところまで戻って再度始めれば全く問題ありません。


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頑張りすぎないよう、余裕を持ちながら続けてみましょう。



くたくたになるまでやらずに、「今日はこのくらいにしておこう」と余裕を持つことが大事なのです。


なぜなら、超回復はエネルギーが残っていないとできませんので、「エネルギーは残した状態でやめておく」ということが秘訣だということを忘れないでください。


当院では整体を行うことで自律神経の働きを正常化させ副交感神経の働きを高め、この超回復を早めることを行います。


この体の鍛錬期は、10分~30分ぐらいのウォーキングが出来るあたりから次の心の鍛錬期を並行して行うことができます。


③心の鍛錬期:心を強くする

体を強くしたならば、次は心を強くする必要があります。


この時期、最初に必要なのは自分の性格傾向を知ることです。


性格分析などを行い、自分がどのような性格であり、どんな風にストレスになるのかを知っておく必要があります。


性格分析は色々とありますが、当院のカウンセリングでも使っている「エゴグラム」や「認知行動療法の認知のゆがみの分類法」などは、初めての方でも分かりやすいです。


知らないことで「なんでこんな風になってしまうのか」と不安になったりストレスに感じたりします。


「知る」ということで、不安が減少したりストレスを減ったりしますので分析はとても重要です。


自分の性格をきちんと知ることで、ストレスになる思考や行動が頭で理解することができるのです。


知ることができましたら、次に思考や行動の修正を行います。


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自分の思考や行動をよく知ることが重要なんですね。



知ることは大事ですが、知っているだけではうつを改善するには片手落ちです。


思考や行動が変わっていかなければ復職した際に同じストレスを感じてしまい、またうつで休職することになります。


そのため、生活の中で必要な思考や行動をしてみるというのが重要です。


例えば、人に意見が言えないならば、身近な方に「自分の意見を言ってみる」というのが重要です。


ネガティブな考えをしてしまうならば、最初は無理にでもいいのでポジティブに考えてみるというのが重要です。


これは今までと異なる思考や行動なので疲れます。

そのために体の鍛錬期で体を強くしておく必要があるのです。


また、これに関しても専門の知識や技術が必要になることが多いです。


また、この時期に感情を出すということをする必要があります。

詳しくは「うつの隠された原因。感情と筋肉」のページをご覧ください。


当院では簡易的なカウンセリングやアドバイアスならば、整体をしながら行えます。


しかし、きちんとしたカウンセリングを受ける必要がある場合は、当院の本格的なカウンセリングをお勧めしております。


④自己リハビリ出勤

ここまでできたら、復職まであと一歩です。


もう2時間以上は歩ける体力もそろっているし心の幅も広がり始めています。


まずは、あなたが最も体力のある時間帯に実際に職場の近くまで行ってみましょう。


通勤というのも負担になりますので、その練習をしなければなりません。


いきなり朝の通勤時間に行うと、混雑していますので負担がいきなり大きくなります。


ですから最初は昼間のすいている時間に行い、徐々に朝の時間帯に移行していきます。


最初は職場の近くまで行ったら、ベンチや喫茶店などで休んで帰ってくるだけで構いません。


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はじめから無理をせず、徐々に行っていきましょう。



できるようになりました、職場近くの喫茶店で新聞や本を読んだり、ゲームでもいいのでパソコン作業を行ったりするのもいいでしょう。


そして2時間ぐらい行ったら帰宅します。


このようなことを続けて、体が元気でいるならば復職が可能な範囲になります。


遅く出勤する、早退できるなど、短時間勤務が可能であるならばリハビリ出勤を行ってください。


通常の業務になれるにはリワークなどを利用するのもいいでしょう。


会社がうつに対して理解があればあるほど復職が容易になりますが、現実的には理解があまり進んでいません。


そのため、短時間勤務のようなリハビリ勤務などがなく、復職後にいきなり通常勤務となる会社さんも多いです。


そのような会社さんにお勤めの方は自己リハビリ出勤を長期間行い、できるだけ心も体も慣らしておく必要があります。


この時期には仲のいい会社の同僚などとコンタクトを取り、職場の雰囲気や情報を入れておくことも必要になります。


当院では、リハビリ出勤で受けた負担を回復させるために整体で自律神経を整えたり、カウンセリングで不安などを軽減させたり、アドバイスなどをして復職に向けてサポートしております。


また、カウンセリングでは自己コントロール法などで、ストレスに対する対処法などを身につけることができます。




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