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自律神経のストレス反応

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更新日:2019.09.22

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

前ページでは、基礎知識として「ストレスが多いと自律神経が乱れる」そして「悪化するとうつになる」とお伝えいたしました。


では、なぜストレスがあると自律神経が乱れるのでしょうか?


これを知ることが「うつを克服するための入り口」となります。


そしてそのことに必要な知識が、このページのテーマである「自律神経のストレス反応」なのです。


結論から先にお伝えしますと、ストレス反応時には交感神経が過剰に働きます。
うつになると、交感神経も働けなくなってしまうのですが、最初の乱れは必ず交感神経が過剰に働くようになっているのです。
これが重要なポイントなのです。


ではなぜ、ストレス反応時には過剰に交感神経が働くのかというと、人間も含め全ての生物は「ストレス=生命の危機」と無意識に捉えるからです。


つまり、ストレスを感じると体は生命の危機から逃れようとする動きをするのです。

この時に交感神経が働かないと生命の危機は確実に訪れてしまうのです。


ストレス=生命の危機とは?

例えば、あなたはサバンナの真ん中にいるシマウマだとします。


モグモグと草を食べていると、ライオンの気配を感じました。


ライオンはシマウマにとって大きなストレスですから、あなたは生命の危機から逃れようとします。


そこで走って逃げる必要があります。


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モグモグ...(!!



そのためには筋肉が動かなければなりません。


しかし、筋肉を動かすには酸素と糖が必要になります。


そこで酸素と糖を血液が運んでいるのですが、筋肉にたくさんの血液がいかなければ酸素と糖が足りなくなり、走ることができなくなってしまいます。


そのため、心臓の鼓動が早くなりたくさんの血液を筋肉に送るのです。


そして、たくさんの血液が血管を通るので血圧も上がります。


この鼓動が早くなったり、血圧を上げたりするのは交感神経の働きです。


もし交感神経が働かなければ筋肉に酸素と糖がたくさん届かないので、早く走れずにシマウマは確実にライオンに食べられてしまいます。


逆に交感神経が働けば早く走れるので、逃れられる確率は高くなるのです。


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逃げる時は交感神経が働きます。



つまり、ストレスがかかると自律神経の交感神経が過剰に働くようになっており、それと同時に副交感神経が働かなくなります。


これがストレス反応です。


そして、これは我々の意志とは関係なく行われているのです。


このストレス反応のために、人間は4つのストレスを受けていると、自動的に交感神経が過剰に働いてしまいます。


本来ならば生命の危機ではないストレスについても、人間にはシマウマなどの野生動物と同じ動物的本能が脳に刻み込まれていますので、自動的に交感神経を過剰に働かせてしまうのです。


例えば、人間関係などの精神的ストレス反応や体のゆがみなどの構造的ストレス反応は「生命の危機」ではないのですが、我々の本能は「ストレス=生命の危機」と受取ってしまうのです。


これが続くと自律神経失調症になるのです。


この自律神経失調症がうつの前段階だということは、もういうまでもありませんね。


次のページでは、「うつに至るまでの段階」について説明していきます。


これを知ることで、現在の自分がどの段階にいるのかよく分かるようになるので、うつにならないようにすぐに対応が取れたり、再発する可能性を限りなく低くしたりといった効果も期待できます。


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