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うつを治すキーポイント「自律神経」

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更新日:2019.03.27

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

 うつは「癒し」だけでは治らないでは、うつの本当の原因について詳しくお伝えしました。
うつの本当の原因は、ストレスではなく、自分を守るためのエネルギーである感情を抑え込んでしまうことでした。


 では、なぜ感情を抑え込んでしまうと、うつになってしまうのでしょうか。
このページでは、うつを治すキーポイントである「自律神経」について詳しくお伝えします。


うつを治すキーポイントである「自律神経」とは

 自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、交感神経は脳や体を動かすときに働きます。
ストレスを感じた時に働く神経でもあります。
逆に副交感神経は脳や体を休ますときに働きます。
眠ったり病気やけがを治したりする時にはこの副交感神経が働きます。

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 交感神経と副交感神経は、どちらかが働くと、もう片方は働かないようになります。
そのため、ストレスが多いと交感神経が働きすぎるために、副交感神経が働けなくなります。
そこでマッサージやアロマなどで癒すことでリラックスしてもらい、交感神経を休ませて副交感神経が働けるようにしているのが我々が考えている一般的な理論や手法です。


 ところが、「感情と自律神経の関係」を知ると、癒しだけではうつが治らないことが理解できるでしょう。


感情と自律神経の関係

 実は、感情と自律神経は密接に関係しているのです。
怒りやイライラ、やる気や歓喜という感情は交感神経と深く関わっています。
逆に、悲しみや落ち込み、懐かしみや安らぎという感情は副交感神経と深く関わっています。


 つまり、怒ったり喜んだりするという感情に浸ると交感神経が活性化し、悲しんだり安らいだりする感情に浸ると副交感神経が活性化します。


全身全霊で感情に浸ると、自律神経の働きが活性化する

 この「浸る」というのは、あなた自身がその感情そのものになるということです。
つまり、怒りがある時は全身全霊で怒りを出し、悲しみがある時には全身全霊で悲しみを出すということです。


 怒りやイライラなどは一般的にはネガティブな感情にとらえられます。
人によっては「ネガティブな感情を出すとネガティブな出来事が寄ってくるので、そのような感情は出してはいけない」という方もおります。
しかし、先ほどお伝えしたように感情はどんなものでも自分にとって必要なものなのです。
そして、感情を出さないようにすると出さない感情に関連した自律神経の働きが低下していくのです。


怒りは交感神経を、悲しみは副交感神経を活性化する

 例えば、怒りの感情を出さないようにすると交感神経の働きが低下してしまい、悲しみの感情を出さなければ副交感神経の働きが低下してしまうのです。
つまり、怒りなどの交感神経に関わる感情を出さなければ交感神経の働きが低下します。
それはストレス耐性が低下することを意味します。
ストレスは交感神経で対処するため、交感神経の働きが低下するとストレスに弱くなってしまうのです。


 逆に、悲しみなどの副交感神経に関わる感情を出さなければ副交感神経の働きが低下します。
すると安らげないようになり、自分自身を癒すことができなくなります。
泣くとすっきりしますが、これは副交感神経が働いて自分自身が癒されたということなのです。

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 '自然治癒能力'という言葉はよく使われることがありますが、これは副交感神経の働きの一部ですので、副交感神経の働きが低下するということは自然治癒能力も低下するということなのです。


 つまり、交感神経はストレス耐性のために働いており、副交感神経はストレスで受けた心身の疲労や傷を治すために働いているのです。そのため、癒しばかりでは副交感神経は活性化しても交感神経は活性化しないのです。


交感神経

副交感神経

働き

脳や体を活性化させる
働く・遊ぶ・体を動かす

脳や体をリラックスさせ、疲労・病気・けがを回復させる

感情

怒り・イライラ・やる気・歓喜・恨み・憤り

悲しみ・落ち込み・懐かしみ・安らぎ


 このページでは、うつを治すキーポイントである「自律神経」について詳しくお伝えしました。
自分を守るためのエネルギーである感情を抑え込んでしまうと、体を動かしたり休ませたりするときに働く自律神経が活性化できなくなります。
すると、ストレス耐性が低下したり、安らげないため自分自身を癒すことができなくなったりします。


 では、ストレス耐性を高めるにはどうしたらいいでしょうか。
次のページでは、ストレス耐性の高め方について詳しくお伝えします。


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