頭蓋骨のゆがみ

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更新日:2019.09.09

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

「頭蓋骨はゆがむ」


こう聞くと、多くの方は驚くかもしれません。


何せ、この硬い頭の骨がゆがむというのですから信じられないと思ってもいたしかたありません。


しかし、頭蓋骨がゆがむのは本当です。


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ゆがんだ頭蓋骨



それどころか頭蓋骨は動くのです。


うつ・自律神経失調症に頭蓋骨矯正が必要な理由

頭蓋骨が動くといっても、腕や足のように動くのではなく、小さな不随意的(意識とは関係なく)に動くのです。


しかし、頭蓋骨の動きは小さすぎて目に見えませんから、最初は信じられなくてもいたしかたありません。


多くの方はご存じありませんが、頭蓋骨がきわめて小さな動きをするのは、カイロプラクティックやオステオパシーという手技療法の業界においては世界的に常識な知識です。


もちろん科学的な実験でも証明もされています。


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頭蓋骨の動き



頭蓋骨は不随意的に動くとお伝えしましたが、その動き方は簡単にいうとまるで肺が呼吸をするかのように膨らんだり元に戻ったりする動きをするのです。


ちなみに、肺の呼吸は出産後から行われますが、この頭蓋骨の呼吸のような動きは胎児の時から行われております。


そのため頭蓋骨の動きを「第1次呼吸メカニズム(システム)」と呼びます。


(肺の呼吸は第2次呼吸システム)そして、うつや自律神経失調症の方のほとんどは頭蓋骨がゆがみ、この第1次呼吸メカニズムの動きが悪くなっています。


頭蓋骨の動きが悪くなっているために、脳の機能が低下して下記のような症状が出ているのです。


不眠症・目の奥が痛い・めまい・耳鳴り・頭痛・頭が重い感じ・のぼせ・ホルモン異常・やる気や意欲が出てこない・集中力がない・決断できない・頭にもやがかかった感じがする・他


当院の頭蓋骨矯正は、この第1次呼吸システムである頭蓋骨動きを元に戻すために行っているので、うつや自律神経失調症の方には必須の整体技法になります。


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頭蓋骨矯正は、うつ・自律神経失調症に必須の整体技法です。



通常、頭蓋骨は1分間に10回前後膨らんだり戻ったりしています。


この動きを見分けられるのは専門の訓練をしたものだけですので、一般の方が頭をさわってもおそらくわからないでしょう。


しかし、頭蓋骨の動きは肺呼吸を大きくすることにより同調します。


そのため、頭を触りながら大きく呼吸を行うことで一般の方でも感覚のいい方なら何となく頭蓋骨が膨らんだり元に戻ったりするのが感じられるかもしれません。


また、きつめの帽子や布のバンダナなどをかぶり大きく呼吸をすると、息を吸った時にきつくなる感じが分かる場合もあります。


また余談ですが、帽子や布のバンダナを右回しや左回しに回してみて、行きやすい方向に頭蓋骨のゆがみがあることも感じられることもあるでしょう。


注意:やっていて具合が悪くなったらすぐに中止して下さい。


頭蓋骨はなぜ動かせるのか。なぜ動くのか。

頭蓋骨はなぜ動かせるのかをお伝えします。


実は頭蓋骨は一つの骨ではなく22個の骨が立体パズルのように組み合わさってできています。


ですから、頭蓋骨は風船のように膨らんだりするのではなく、22個のそれぞれの骨が歯車のように絡み合っています。


当院の頭蓋骨矯正では、このロックをはずして頭蓋骨が正常に動くようにしています。


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頭蓋骨の動き



こうすることで、うつや自律神経失調症の症状を改善させているのです。


頭蓋骨が動いている理由は、脳脊髄液(CSF)を循環させるためです。


脳脊髄液とは、脳と脊髄を包んでいる硬膜という膜の中にある半透明な液体です。


脳と脊髄はこの液体の中に浸っていると思っていただけると分かりやすいと思います。


頭蓋骨は、この脳脊髄液の循環をさせるために動いています。


血液は心臓というポンプの役割をする臓器がありますので留まることなく流れていますが、脳脊髄液の中にある脳と脊髄にはポンプ役をするための臓器がありません。


そのため、何かで循環させなければ、脳脊髄液は古くなり淀んでしまいます。


脳脊髄液が循環されないと脳の機能が低下していきます。


するとうつや自律神経失調症に特有な症状が出てくるのです。


そのため、頭蓋骨が膨らんだり元にもどったりして脳脊髄液をポンピングして循環させているのです。


それならばなぜ頭蓋骨は心臓みたいに脈打たないのかというと、それは血液のように激しく循環しないからです。


脳脊髄液はゆっくりと、しかし確実に循環させる必要があるので、第1次呼吸システムである頭蓋骨のゆっくりとした動きが適しているのです。


また、頭蓋骨は硬膜を通じて骨盤の真ん中の骨である仙骨にも付いており、仙骨と頭蓋骨とが共同して動いて脳脊髄液を循環させています。


しかし頭蓋骨がゆがむと頭蓋骨の動きがロックしてしまい、第1次呼吸システムが作用しなくなります。


そのため脳脊髄液の循環がうまく行われなくなってしまうのです。


また、頭蓋骨と仙骨は硬膜でつながっていることから、骨盤(特に仙骨)のゆがみがあることでも脳脊髄液の循環がうまく行われなくなることもあります。


このようなことから、うつや自律神経失調症の方には頭蓋骨と骨盤(特に仙骨)の調整は欠かせない施術になっております。


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頭蓋骨と骨盤(特に仙骨)の調整は欠かせません。



頭蓋骨のゆがみは、顔やあごにもゆがみが表れていることも多く、左右の顔があまりにも違う場合は頭蓋骨も大きなゆがみを持っている場合が考えられます。


頭蓋骨のゆがみを見分けるポイント

以下は頭蓋骨のゆがみを見分けるポイントですからチェックしてみて下さい。


  1. 耳の高さが左右で違う

  2. 目の大きさが左右で違う

  3. 目の高さが左右で違う

  4. 鼻の穴の大きさが左右で違う

  5. 顔の真ん中とあごの真ん中がずれている

  6. 左右の顔の幅が違う

  7. 顔がバナナのように曲がっているように見える

  8. 頭を上から見た時に左右で形が違う


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頭蓋骨のゆがみ具合をチェックしてみましょう。



この中で3つ以上あてはまれば頭蓋骨のゆがみが存在するでしょう。


しかし頭蓋骨がゆがんでいても、うつや自律神経失調症の症状が出ない方もおります。


なぜなら、ゆがんでいても頭蓋骨がきちんと動いていれば、脳脊髄液は循環しているので症状は非常に出にくくなります。


そのため、ゆがんだ顔や頭でも症状が出ない方もいるでしょう。


しかし明らかにゆがんでいる場合、症状に気づいていないだけで実は体がとても悪い状態の方もおりますので、症状がないからといっても注意が必要です。


人間の体は悪くなり過ぎると感覚がマヒしてしまい、症状に気づかなくなります。


このような患者さんが多くいますので、ゆがみがひどい場合にも注意が必要です。


逆に左右で違いがあまり見られなくても、頭蓋骨がロックしてしまっていると脳脊髄液の循環がうまくされませんのでうつや自律神経失調症の症状が出ます。


重要なのは頭蓋骨が動いているかなのです。


多くの場合、頭蓋骨がゆがむことで動きがロックしますので症状が出やすくなるのです。


また余談ですが、たまに小顔矯正など美容を謳った頭蓋骨の施術を受け、その後に不快の症状が出てきた方が当院に来院されます。


特に頭痛やめまいなどが出ることは多いです。


頭蓋骨は顔面骨も含めて絶妙のバランスで成り立っていますので、ある部分だけ小さくしようとしても、頭蓋骨の動きがロックしてしまうこともあります。


そのため、小顔矯正で顔は小さくなっても脳脊髄液の循環がうまく行われなくなることもありますから、美容や小顔だけの目的で頭蓋骨(顔面骨を含む)の矯正を安易に行うのは賛成できません。


人間の体で重要なのは「機能」です。


機能を無視した矯正は、体の機能障害を起こしかねませんので注意が必要です。


では引き続き次の「頭蓋骨のゆがみが脳に与える影響」のページで、頭蓋骨のゆがみが脳の機能にあたえる影響とうつ・自律神経失調症の関係性について詳しく説明していきます。


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