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うつに良いとされる栄養素
更新日:2019.03.27
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
前のページでは、うつと食事についてお話しました。ここでは、
などの、うつに良いとされる栄養素や、
について詳しくお伝えしております。
ビタミンB群
ビタミンB群が欠乏すると、睡眠障害、つまり不眠症が起こる場合があります。
夜、なかなか寝られなかったり、夢を見たりするなどは、睡眠が浅いことで起こります。
これは、ビタミンB群の不足により、睡眠をコントロールする神経の伝達物質がうまくできていないためです。
寝酒をする人もいますが、実は、アルコールを分解するのにもビタミンB群が使われます。
アルコールを摂取することは、ビタミンB群を不足させてしまい、睡眠に必要な脳への神経の伝達物質も作られなくなり、睡眠障害が起こるのです。
また、甘い物をよく食べる人も、ビタミンB群を不足させてしまうので注意しましょう。
ビタミンB群は、体内での正常な代謝とエネルギーをつくり出すのに必要な栄養素です。
甘い物の食べすぎや過食、食事の変わりにお菓子を食べてしまう・・・などにより、ビタミンB群は大量に消費されてしまいます。
ビタミンB群が欠乏してしまうと、
- イライラする
- 疲れやすい
- 集中力が続かない
などのうつ、自律神経失調症の症状が出てきます。
結果、「ストレス解消=甘い物を食べる」といった行為は、逆に精神状態を悪化させてしまうので、うつ、自律神経失調症にもなりかねません。
ビタミンB群が多く含まれる食物
- ビタミンB1・・・穀物の胚芽、豚(ヒレ・モモ)肉、ハム、あおのり、大豆など
- ビタミンB2・・・(牛・豚)レバー、卵、大豆、乳製品、葉菜類など
- ビタミンB3・・・たらこ、マグロ、かつお、牛レバーなど
- ビタミンB5・・・(牛・豚・鶏)レバー、子持ちカレイ、ニジマス、納豆など
- ビタミンB6・・・にんにく、ピスタチオ、酒粕、まぐろ、牛レバーなど
- ビタミンB12・・・しじみ、赤貝、(味付け・焼き)海苔、すじこ・牛レバーなど
- 葉酸・・・・・・・・(牛・豚・鶏)レバー、(味付け・焼き)海苔など
- ビオチン・・・・・・牛レバー、大豆、卵、サケ、ほうれん草など
亜鉛(ミネラル)
亜鉛には、血糖を下げるために必要な、インスリンの分泌の調整をする働きがあります。
この他、亜鉛は成長ホルモンにも関わっているため、成長期に亜鉛が不足していると身長が思うように伸びなかったりします。
女性ホルモンとの関係も深く、亜鉛が欠乏すると、意欲や性欲の低下が起きます。これもうつの時に起こる症状です。
また、亜鉛はアルコールを分解するのにも必要な栄養素です。
その他、亜鉛が欠乏すると、
- 皮膚がカサカサになる
- 傷が治りにくい
- (免疫力の低下のため)風邪をひきやすい
- 味覚障害
- 嗅覚障害
- 食欲不振
- イライラ
- 疲労
- 無感動
- 健忘症
- うつの症状
などがあります。
したがって、うつで「食べ物の味がわからない」という方は、亜鉛が不足している可能性もあります。
亜鉛が多く含まれる食物
魚介類では、
- カキ
- 魚
- カニ
- ツブ貝
肉類では、
- レバー(豚・鶏)
- ハム
- 鶏肉
その他、
- ミルク
- ナッツ類(アーモンド・へーゼルナッツ・クルミ)
などがあります。
鉄(ミネラル)
鉄は、体内で赤血球をつくることを最大の役割としています。
赤血球とは、血液の主成分で、体の毛細管を通って各組織へ酸素を運び、二酸化炭素を運び出す働きをしています。
また、赤血球の数が減ると貧血状態になり、多すぎると、血液の流れが悪くなって血管が詰まりやすくなります。
その他、鉄が足りなくなるとコラーゲンのつくられる量が減るため、体の節々が痛くなったり、シミができやすくなったり、肌、髪、爪などにも影響が出てきます。
鉄を含む食品として、ほうれん草やプルーンといった植物性の食品がありますが、これらは『非ヘム鉄』といって、体に吸収されにくい物質です。
一方、動物性タンパク質に含まれている『ヘム鉄』は、『非ヘム鉄』に比べはるかに吸収されやすい物質です。
鉄が多く含まれる食物
- あおのり
- ひじき
- きくらげ
- 煮干し
- アサリの佃煮
- 干えび
- 豚肉レバー
などがあります。
マンガン(ミネラル)
マンガンは、記憶に関わる伝達物質や、多くの酵素と関わりがあります。
例えば、血糖のコントロールに関わる酵素、エネルギー代謝に関わる酵素などで、マンガンが不足すると、高血糖や糖尿病にもなりやすいのです。
マンガンが多く含まれる食物
- ピーマン
- アーモンド
- ほうれん草
- ぶどう
- 大根の葉
などがあります。
タンパク質
タンパク質は、脳への伝達物質に重要な栄養素の一つでもあり、皮膚や骨、血管、内臓、筋肉、酵素やホルモン、免疫に関わる抗体に必要な栄養素でもあります。
タンパク質には『動物性』と『植物性』があります。どちらか片方のタンパク質を摂っていても、体内でうまく利用されていないので、両方のタンパク質をバランスよく摂る必要があります。
コラーゲン
コラーゲンは、体の骨組みを形づくる栄養素です。
コラーゲンは、骨・軟骨・腱・皮膚・血管・歯など、体のいたるところに含まれており、美肌の形成や、ヤケドなどの傷の治りを早めたりします。
背骨の椎間板はコラーゲンなので、椎間板ヘルニアやぎっくり腰を防ぎ、腰痛を減らす役割もします。
血管の壁もコラーゲンによってつくられるため、不足するとアザができやすくなったり、歯茎から出血しやすくなったりします。
コラーゲンが多く含まれる食物
- 鶏肉(皮・手羽先・軟骨)
- フカヒレ
- うなぎ
- 牛すじ
- 豚足
- なまこ
などがあります。
ビタミンA
ビタミンAは、視覚機能に関する重要な働きを担っており、これが欠乏すると『夜盲症(とり目)』になります。
他にも、目や口腔、消化器などの粘膜と関わりがあり、症状として、角膜の乾燥や皮膚のカサカサ感があります。
ビタミンAが多く含まれる食物
- うなぎ
- レバー(牛・豚・鶏)
- 牛乳
などがあります。
ビタミンC
ビタミンCには、働きや作用が数多くあります。例えば、
- 風邪やインフルエンザなどの、ウィルスの感染症を防ぐ
- 貧血だけでなく、鉄と一緒に摂取することで血行がよくなる
- 血行がよくなると体温も上がるので、冷え性にも効果がある
- さらにビタミンEも一緒に摂取すると、より寒さに強くなる
- 高血圧の人は、血中のビタミンC濃度の低い人が多いため、ビタミンCを十分に摂取することにより、血圧が次第に下がってくる
- 血圧低下だけではなく、血管につくられる血栓を防ぎ、それを溶かし、血液の流れをよくする
- 骨を丈夫にする
- シミを防ぎソバカスを緩和する
- 利尿作用
- 便に対する緩下作用
- 血糖を減らす作用
- 高脂血症の予防や改善
- ストレスの減少
などがあります。ビタミンCが欠乏して起こる病気といえば、有名なのが『壊血病』です。
ビタミンCが多く含まれる食物
- (焼き・味付け)のり
- (赤・黄)ピーマン
- ゆず
- パセリ
- 芽キャベツ
- レモン
などがあります。
ビタミンD
ビタミンDは、骨の形成に必要不可欠な栄養素で、これが欠乏すると、幼児期には『くる病』、青年期には『骨軟化症』になることがあります。
また、骨の形成には日光の紫外線が必要となります。これは、太陽光線が皮膚の脂に作用することによってつくられるからです。
ビタミンDが多く含まれる食物
- 乾燥きくらげ
- あんこうの肝
- しらす干し
- いわしの干したもの
などがあります。
栄養素の組み合わせ
栄養素を組み合わせることにより、相乗効果で機能をアップさせることができます。
ビタミンB12+葉酸
ビタミンB12には、葉酸を活性化させる働きがあり、体の中では血液をつくる役割をします。
カルシウム+マグネシウム
カルシウムが体内で働くには、マグネシウムが必要不可欠です。
ビタミンC+ビタミンE
ビタミンEには、細胞が錆びないような老化防止の作用があり、ビタミンCは、働き終えたビタミンEをリセットさせ、再び細胞を錆びさせないよう、リサイクルさせる働きをします。
食べる順番
食事をする時の食べる順によって、体への吸収が変わります。
例えば、食べ始めるときは、
- こんにゃく
- 海草
- キノコ
- 野菜などの緑黄色野菜
- 根野菜
といった「食物繊維」が多いものから食べると、血糖の上昇を抑えます。
このページでは、うつに良いとされる栄養素についてお伝えしました。次のページでは、うつと血糖についてお伝えします。