うつに至るまでの段階

更新日:2019.09.22

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

うつの段階を知るとは?

うつに至るまでの段階を知ることで現在、自分がどの段階にいるのか。

また、治ったあとに日々の生活や仕事でストレスが多くなってきたときに、自分は今どの程度うつに近づいているのかがよく分かるようになります。


そのため、すぐに対応できるようにもなります。


すると、ストレスが酷い状況になっても再発する可能性は限りなく低くなるのです。


うつの前段階が自律神経失調症ということはすでにお伝えしましたが、その流れを分かりやすい図で表してみました。


どのような段階かご確認ください。


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自律神経失調症は、交感神経が過剰に働いているため、疲れていて症状も出ていますが「がんばればできる」といった状態です。


しかし、それは長くは続きません。


副交感神経が働けないために体も心も回復ができません。そのため、いつかエネルギーが尽きてしまいます。

そして、エネルギーが尽きた時がうつです。


一般的にうつと言われているものは、厳密にいうと「うつ状態」と「うつ」に分かれます。


「うつ状態」は,体や心がストレスと戦っている状態です。

やる気を振り絞って何とかやっているという感じです。「がんばりたい」という気持ちもあります。


しかし悪化して「うつ」になると「もうがんばる気も起こらない、もう何もする気が起こらない」という状態が2週間以上続きます。これは、体と心がストレスに完璧に負けてしまった状態です。


これらは、ストレスに負けないようにとがんばり過ぎたためにエネルギーが不足することでおきます。そのため、異常に疲労を感じてやる気が起きなくなるのは当たり前のことなのですね。


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がんばりすぎるのも注意が必要ですね。



自律神経失調症とうつの具体的な症状

では、自律神経失調症とうつの具体的な症状の違いを見てみましょう。


自律神経失調症の時は主にに症状が出ます。


不眠症、めまい、耳鳴り、頭痛、食欲不振、動悸、息苦しさ、胃腸障害、疲れが取れない、体が硬くなる、などがこれに当たります。


一方、うつになる、とこの体の症状に加えて心に症状が現れます。


やる気が起こらない、喜べない、笑えない、不安になる、集中力や思考力や記憶力がなくなる、死にたくなる、大事なことでもどうでもよくなる、といった症状がこれに当たります。


人間の体はエネルギーがなければ働けません。


自律神経失調症の時には、交感神経が過剰に働くためエネルギーがなくなるほどたくさん使ってしまいます。


すると、エネルギーがなくなり交感神経も副交感神経も働けなくなります。


つまり、うつになると交感神経が働けないので働くことも遊ぶこともできなくなり、また、副交感神経も働けないので眠ることも満足にできなくなるのです。


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なにもできなくてただただつらい状態...



うつを克服するために

克服するには、まずエネルギーを溜めることから始めなければなりません。

また、うつが治ってからもエネルギーがなくなるまで使わないことが重要です。


エネルギーを使い切ってしまう原因は先ほど説明した4つのストレスにあります。


ストレスを受けると、我々の意図とは別に自律神経が「ストレス=生命の危機」と判断します。


するとストレスに抵抗するために交感神経を過剰に働かせます。

そのため、エネルギーをたくさん使ってしまうのです。


これは自律神経の乱れなので、不眠症・めまい・頭痛・食欲不振・動悸・息苦しさ・胃腸障害などの症状が出ます。


これが目安です。


先ほどお伝えした通り、自律神経の乱れはうつの入口ですから、
自律神経失調症の症状を認識したら、がんばらずに意識的に休養をとったり睡眠時間を増やしたり、


仕事や家事から離れリラックスする時間をとったりして、副交感神経が働ける環境を作ることが必要です。


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落ち着く環境を作ってリラックス



これが一番の対策になります。


また、現在うつで困っている方は、まずはエネルギーの補充という意味で、無理に働いたり動いたりしないことが重要になります。


しかし、体の中の動きは体と心を回復させるためにとても重要です。


そのため、後ほどお伝えいたしますが、整体やマッサージなど自分以外の力で体の中(血流・リンパ液・脳脊髄液など)を動かしてもらうこともお勧めいたします。


では、うつに至るまでの段階が理解できたところで


つぎは「悪化する仕組み」について学んでいきましょう。


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