うつの痛み

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更新日:2019.06.14

執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人

以前放送されていた、某製薬会社さんの「うつの症状に体の痛みがあることを知っていますか?」というCMをご存じでしょうか。


このCMが一部の方の間で「製薬会社が薬を売りつけようとしている」などと、物議を醸しだしました。


患者さんからも色々と聞かれることが多いので、うつの痛みについて少しお話しします。


結論から先に言いますと、私の経験では「うつだから痛みがある」というよりも、前々から痛みがあることが多いです。


痛みの多くは酸素不足による痛みです。


人の体は、血液が運ぶ酸素が不足すると違和感や重い痛みを感じやすくなるようにできています。

肩こりや腰痛などはその典型的なものです。


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痛み原因は酸素不足



では、なぜ血液の流れが悪くなるのでしょうか?


原因は3つあります。


  • 1. 自律神経の働きが乱れている

  • 2. 筋肉が硬く緊張している

  • 3. 神経機能の低下


では、それぞれをご説明いたします。


自律神経の乱れによる痛み

酸素は血液が運んでいますので、酸素不足=血流が悪いということです。

血液の流れは主に血管の太さによって決まります。

当たり前ですが、太い血管は細い血管よりもたくさん血液が流れます。


そして、この血管を太くしたり細くしたりするのは自律神経がコントロールしているのです。


血管を太くして血液の流れを良くしなければならない時でも、自律神経の働きが乱れていると血管が細くなってしまいます。


すると血液の流れが悪くなり、色々なところの神経や筋肉が酸素不足になって痛みを感じるようになるのです。


自律神経の働きが乱れることを自律神経失調症といいますが、これはうつの前の段階です。


つまり、うつの方は自律神経の働きの乱れが長期間続いているのです。そのため、血液の流れが悪い状態が続いており、体に痛みが出やすくなっています。


私は医師でもないし薬剤師でもないので、薬を飲んで良くなるかどうかはお伝えいたしませんが、根本的に治すには「自律神経の働きを正す」ことが重要です。


その一番の対策はストレスから離れることです。
ストレスがある限り、自律神経の働きは乱れたままになります。
⇒ストレス対策の詳しいことについてはこちらのページでご確認ください。


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痛みの原因であるストレスから離れる。



筋肉の緊張による痛み

血管は筋肉の中や筋肉同士の隙間を通っています。


そのため、筋肉が硬く緊張すると、血管を押しつぶしてしまうのです。


つまり、血液の流れをよくするには筋肉の緊張を緩める必要があります。


自分でできる方法としては、ストレッチやラジオ体操などを行ったり、お風呂などで体を温めたりすることです。


しかし、あまりに筋肉の緊張が強いと、自分の力だけでは緩められなくなっています。


そのため、整体やマッサージなどの専門家に筋肉の緊張を緩めてもらったり、また体もゆがんでいる場合が多いので、ゆがみを正したりすることが必要です。


筋肉を緩める薬といえば筋弛緩剤などが有名ですが、まずはそのような薬に頼らずに、ストレッチや体操、整体やマッサージなどを行うのが良いでしょう。


更に、筋肉の緊張は感情を抑えることとも関係します。


そのため、怒りや悲しみといった感情を外に出すのは、筋肉を緩めるのにとても良いのです。


怒りなどは人に対して行うと、その後の人間関係に問題が生じてしまいますので、やり方に工夫が必要です。
⇒ストレス対策の詳しいことについてはこちらのページでご確認ください。


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感情の開放には工夫が必要です。



神経機能の低下

神経には、痛みを緩和させる「疼痛抑制」というシステムがあります。

疼痛抑制のシステムは脳と神経の機能が正常な状態でないと働きません。

うつの方は、脳や神経機能が低下していますので、この「疼痛抑制」の神経機能も低下しています。

そのため、痛みを感じやすくなります。


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