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手足に力が入らない対策
更新日:2019.03.27
執 筆:整体師&カウンセラー 鈴木直人
手足に力が入らない原因は、お伝えしたように4つあり、その対策も4つあります。
ではそれぞれ解説していきましょう。
①精神的ストレスの対策
気持ちを抑えこんでしまうことが、手足に力が入らなくなる原因ですので、できるだけ自分の気持ちを外に出すようにして下さい。
しかし、直接感情をぶつけてしまうと、人間関係などが悪くなってしまうこともありますから、最初は誰もいないところで、まるで目の前に対象の人がいると思って言ってみて下さい。
すると、自分の気持ちが少しずつのってきて、段々と感情エネルギーが出てきます。
目の前にいなくても、叫んでみると意外と気持ちいい!
すると、手足にもエネルギーが回り、力が入るようになります。
言うことのできないは、その人あてに「送ることのない手紙」を書いてみて下さい。
対象の人に対して、送ることはしませんので、その人への思いを、言葉を選ばずに紙に書きたいように書いてみて下さい。
②構造的ストレス
▼緊張するとゆるむ?
気持ちを抑え込むときは、筋肉を緊張させていますので、そのことによって固まりすぎた筋肉を緩める必要があります。
しかし、緩めようと思ってストレッチなどをしても、筋肉の深い部分は、なかなか緩まないのです。
肩こりがなかなか治らないのも、このことが原因なのです。
なぜ緩まそうとしても筋肉は緩まないかというと、実は筋肉はある一定の緊張をしないと緩もうとしないのです。
例えば、筋肉は最大で10緊張できるとします。気持ちを抑え込むと5ぐらいの緊張をするとします。この5の緊張を1や0にしようと思ってもなかなかできません。
むしろ、5の緊張を8や9まで上げてあげると、1や0になるのです。
「運動が体にいい」というのは、運動で筋肉をたくさん使い緊張させることで、そのあと反動で筋肉が緩むからなのです。
出来る範囲で筋肉を動かせば、筋肉の緊張は緩みやすくなる。
手足に力が入らないと、どこまでできるかという疑問もありますが、理想としては全身を動かすことをお勧めします。 最初は指一本動かすだけでもいいですし、声を出すだけでもいいです。 重要なのは、動かせる範囲だけでいいので、できるだけ動かすということです。
▼感じることでゆるむ?
そして、更に重要なことは動く準備をすることです。
専門的なことは省きますが、実は動く前に必要なのは「感じる」ことなのです。感じたことの反応で、動く意欲や目標ができます。これが動きにつながっていきます。
例えば、「暑い」と感じたら、「涼しくなりたい」という欲求が生まれます。そして上着を脱ぐという目標が生まれますから、そのための動きをします。
ですので、体を動かすことも大事ですが、その前に動く意欲や目標が必要になります。
暑いと感じれば、涼しくなりたいという意欲が出てきて、それが行動になる。
手足に力が入らない人の多くは、体の感覚も感じにくくなっています。そのため、「体の感覚を感じようとする意識」が重要になります。
例えば、座っているならば、右のおしりと左のおしりのどちらに体重がかかっているか?
また、寝ているならば、右の背中と左の背中のどちらが床にくっついているか? 左右の手や足はどちらが重たいか?
あるいは、お腹がすているときは、具体的に「何を」食べたいと感じるか?
というように、体の感覚を感じようとしてみて下さい。
この感覚が、意欲や動きの目標につながります。
すると、意欲を満たすための行動をするために体が準備をするようになり、結果として手足に力が入るようになってくるのです。
③化学的ストレス
化学的ストレスをへらすためには、栄養の過不足がないように、色々なものを食べるようにしましょう。そして、カリウムと糖分は控えるといいでしょう。
しかし、カリウムを控える前に、ストレスから逃げられれば逃げたほうがいいでしょう。
ストレスから逃げられれば、コルチゾールはなくなりませんので、カリウムの排出をきちんとしてくれますので、問題ありません。
しかし、ストレスから逃れられるのが無理な場合、カリウムの多い食べ物を控えたほうがいいでしょう。
カリウムが多い食べ物とは下記のものです。
昆布・わかめ
あおさ・のり・ひじき
切り干し大根
干しシイタケ
きな粉・おから
ただ、栄養はトータルで考える必要がありますので、絶対食べてはいけないというものでもありません。
健康に良さそうなものも、人によっては食べない方がいいものも
また、甘いものも控えるようにしましょう。特に空腹時の甘いものは、血糖値を急激に上げるため、インシュリンが出すぎてしまい、その結果、血糖値が低くなってしまいます。
どうしても甘いものを食べたい方は、食後に少しだけ食べるようにして下さい。
血糖値の急激の上昇が抑えられます。
④温度ストレス
とにかく、体を冷やさないようにすることです。厚着をしたり部屋を暖かくしたり、湯船につかるなどの習慣を身に付けるといいでしょう。 特に、首すじや背中、足やお腹は冷えると体全体が冷え込みますので気を付けましょう。
手足に力が入らない対策のまとめ
これら4つの対策は全て関連しあっています。
①精神的ストレスの対策である、「気持ちを抑え込まないで外に出す」ということには、必ず筋肉の運動が伴います。声を出すのでさえ、横隔膜という筋肉の動きが必要です。
そのため②構造的ストレスと関連します。 そして、②構造的ストレスの対策である「体を動かす」ということを行えば、自然と体温が上がりやすくなるため、④温度のストレスに関連します。 血糖値が下がると「イライラ」しやすくなりますので、イライラの気持ちを抑え込む機会が増えます。血糖値が下がらなければイライラしにくくなりますので、気持ちを抑え込む機会が減ります。
このように、手足に力が入らないことへの4つの対策は関連していますので、できる範囲でいいので、この4つの対策を少しずつ行うといいでしょう。