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うつ病と新型うつ病の違い

うつ病と新型うつ病の違い

 前のページでは、現代社会で蔓延している新型うつ病の特徴についてお伝えしました。
新型うつ病の特徴については、新型うつ病とはのページをご覧ください。
このページでは、うつ病と新型うつ病の違いについてお伝えします。


 20世紀においては、昔から見られる「うつ病(定型うつ病)」が定番のうつ病で、その当時にしてみれば現在の「非定型うつ病(新型うつ病)」に相当する病態は非常にまれで、それはうつ病ではないと認識されていました。
なぜなら、うつ病になりやすい人たちの特性は下記表で示しているような性格で、真逆の性格特性の人たちはうつ病にはなりえないと考えられてきたからです。


 また、「定型うつ病」がいまでも本当のうつ病であると認識されがちです。
一昔前までは、「定型」「非定型」という言葉は存在すらしていませんでした。それは、非定型うつ病のような新型うつ病が明らかにされておらず、うつ病が単一の疾患であるとみなされていたからです。


うつ病と新型うつ病の傾向


 ところが、21世紀になり新種のうつ病が登場しました。うつ病が遺伝子の突然変異のように姿を変え、新種のうつ病全盛の時代を迎えつつあり、後もさらなる急増が予測されています。今、都心の診療内科のクリニックでは、30~50%の人が新型うつ病、あるいはその疑いのある人といわれています。


 昔から見られる「うつ病(定型うつ病)」は几帳面、生真面目、責任感が強く仕事に熱心、秩序や規律正しさを重んじるなどの執着気質や、メランコリー親和型と呼ばれる性格の人たちが陥りやすいです。
好きなことをするときでも気分が落ち込み、意欲がわかないなどの抑うつ症状が早朝から午前中にかけて見られる傾向があります。


 これに対して、「非定型うつ病(新型うつ病)」は、自分の好きなことをしているときは、なんら問題はありませんが、嫌なことをしているときに抑うつ症状が激しく見られます。
見方を変えれば、自分の都合が悪いときなどに抑うつ症状が発生するので、「わがまま病」のように取り扱われることがあります。
突然に涙が溢れ出し、感情のコントロールができなくなり、周囲に助けを求めようとしますが、周囲の人たちは、本当の苦しみを理解できないために精神的苦悩は改善されるどころかますます悪化し、悪循環を招くことさえあります。


うつ病と新型うつ病の特徴


2つのうつ病の違いを表にまとめると以下の通りです。


項目 うつ病 新型うつ病
患者
  • 中年期の男性に多い
  • 若い女性に多い
性格
  • 真面目タイプ
  • 几帳面
  • 責任感が強い
  • マイナス思考
  • 八方美人
  • よい子タイプ
  • 自己主張をしない
  • 他人の目を気にする
  • マイナス思考
気分
  • 集中力がなくボーっとする
  • 常におちこんでいる
  • やる気、興味が失われる
  • 趣味もできない
  • 自責の念が強い
  • 身だしなみにも気を使わなくなる
  • 集中力が散漫になる
  • 好きなこと、都合のいいことがあると明るくなる
  • イライラしたり、怒りっぽくなる
  • ささいなことにくよくよ悩む
  • 他罰的になりやすい
  • 不安が強くなったり、キレる
時間
  • 朝から午前中にもっとも憂鬱
  • 一日中憂鬱な気分
  • 夕方になると少しはよくなる
  • 朝刊シンドロームともいう
  • 夕方から夜にかけて憂鬱
  • 深夜にひとりで泣いたりする
  • 夕暮れうつ病ともいう
食欲
  • 低下する
  • 体重が減ることが多い
  • 性欲も無くなる
  • 過食
  • とくに甘いものを食べたがる
  • 体重が増えることが多い
  • 性欲が高まることがある
その他
  • 倦怠感が強い
  • 体調や気分に変化はなくずっと低迷した状態
  • 周囲にも具合が悪いと分かる
  • 過労感が強い
  • 体調や気分の変化が大きく、感情のコントロールができない
  • 病だと気付かれにくい

うつ病は、セロトニンなどの伝達が異常になっているために起こる

 情報が伝わる仕組みとして、個々の神経細胞は電気信号を伝えあうことで一瞬にして繋がり、情報のネットワークを作ります。


 情報伝達の場はシナプスです。一方の神経細胞が放出した神経伝達物質が、もう一方の神経細胞のレセプターにキャッチされ、電気信号として伝わってきます。電気信号は、神経伝達物質の種類や分量、伝わるレセプターによってコントロールされています。


 脳の既往の研究が進む中、脳の働きとともに、うつ病の人の脳の状態が少しずつ解明されてきました。なかでも、カギを握っているのは、セロトニンなどの脳内物質です。
体を動かしたり、なにかを考えたり、喜びを感じたりする全ての脳の活動は、小さな神経伝達物質で、約50種類が確認されており、それぞれ担う情報が異なります。そのうち、気分や意欲、行動にかかわりのあるものが、セロトニンやノルアドレナリンなどです。


 うつ病では、このセロトニンやノルアドレナリンの伝達が異常になっているために起こるといわれています。新型うつ病でも、ノルアドレナリンが関係しているのではないかといわれていますが、はっきりわかっていません。


うつ病との関連

 新型うつ病は、うつ病などの比較研究によって次第に解明されてきました。


  1. レセプターが過敏

     パニック発作のない新型うつ病の人は、アセチルコリンレセプターが過敏になっていることが示唆された実験があります。

  2. セロトニン仮説

     うつ病では、セロトニンが合成される程度が低下していますが、新型うつ病ではかわらないという実験があります。一方、セロトニンの働きが高まるという研究もありますが、詳しいことは不明です。

  3. セロトニントランスポーター

     セロトニンの再取り込みをするゲートのタンパク質の遺伝子で、S/Sという短い対立遺伝子をもつ人は、うつ病のリスクが高いことが分かっています。

新型うつ病は、脳の機能が低下しているために起こる

 視床下部は、ストレスを感じるとホルモンを分泌させたり、自律神経に働きかけて、体の働きを調整します。新型うつ病は、この部位に何らかの機能異常をきたしていると考えられます。


 ストレスに対する脳の反応は、この視床下部の命令で分泌されるホルモンの濃度によってある程度推測されます。また、脳の機能が低下しているところに血流が不足しています。
これらを調べることで、新型うつ病の人は、視床下部や海馬、扁桃体、前頭葉になんらかの低下があると推測されています。


 海馬と扁桃体は、記憶や情動に関わりの深い部位です。PTSDでは、海馬が障害を受けパニック障害では過活動になることがわかっています。
大脳は、「前頭葉」のほか、「頭頂葉」、「後頭葉」、「側頭葉」の4つの部位にわかれており、それぞれの働きが異なっています。
前頭葉は、意欲や集中力に関わる前頭連合野を含む大切な部位。新型うつ病の人の前頭葉は血流量が不足し、働きが低下している可能性があります。前頭葉の血流を測定すると、新型うつ病の人は、過去3ヶ月間パニック発作もうつもない人に比べて、前頭葉の血流量が少ない(活性化していない)ことが分かりました。


 このページでは、うつ病と新型うつ病との違いについてお伝えしました。次のページでは、 新型うつ病と間違われやすい心の病気 についてお伝えします。



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